パーティクルボード。その種類と特徴は?

木質材料の中でも割と目にすることが多いパーティクルボードですが、その種類や特徴をまとめてみました。使用する時のご参考になればと思います。








パーティクルボードの種類

簡単に言えば、木材チップである小片(パーティクル)に合成接着材を混ぜ、熱圧してつくられるパーティクルボードですが使われる小片や接着材、製造法などでその品質には大きな違いが生じます。
そこでJIS(日本工業規格(Japanese Industrial Standardsの略)ではいくつかの項目でその品質基準を設けていますが主に次のような分類をしています。

1.表裏面の状態による区分

まず表面の状態により、4つに分けられます。

  1. 素地パーティクルボード
  2. 単板張りパーティクルボード
  3. 化粧パーティクルボード
  4. 構造用パーティクルボード

それぞれに記号が付けられています。

記号表面の状態
RN両面素地のまま無研磨のもの
RS両面素地のまま研磨したもの
VN両面に単板を張って無研磨のもの
VS両面に単板を張って研磨したもの
DV片面か両面に化粧単板を接着したもの
DO片面か両面に合成樹脂系シートなどを接着したもの
DC片面か両面に合成樹脂塗料を焼き付け硬化または印刷したもの
S-RN構造用パーティクルボードの両面素地の状態で無研磨のもの
S-RS構造用パーティクルボードの両面素地の状態で研磨しているもの
参考:JIS A 5908 2015

2.曲げ強さによる区分

曲げ強さで区分した記号は次の通りです。

記号種類とその曲げ強さ
18素地パーティクルボードまたは化粧パーティクルボードの縦方向、横方向とも18.0N/㎟(184kgf/㎠)以上
13素地パーティクルボードまたは化粧パーティクルボードの縦方向、横方向とも13N/㎟(133kgf/㎠)以上
8素地パーティクルボードまたは化粧パーティクルボードの縦方向、横方向とも8.0N/㎟(82kgf/㎠)以上
24-10素地パーティクルボードの縦方向24.0N/㎟(245kgf/㎠)以上、横方向10.0N/㎟(102kgf/㎠)以上
17.5-10.5素地パーティクルボードの縦方向17.5N/㎟(178kgf/㎠)以上、横方向10.5N/㎟(107kgf/㎠)以上
30-15単板張りパーティクルボードの縦方向30.0N/㎟(306kgf/㎠)以上、横方向15.0
N/㎟(153kgf/㎠)以上
参考:JIS A 5908 2015

OSB(オーエスビー)とWB(ウェハーボード)

24-10タイプをOSBOriented Strand Boardの略)「オー・エス・ビ-」、
17.5-10.5タイプはWBwafer board「ウェハーボード」といいます。
OSBは「OSB材」または「OSボード」と言う名称で近頃はホームセンターでもよく見かける材料です。
ウェファーボードとの違いは、使う素材は一緒なものの、形状がWB(ウェハーボード)の方が正方形に近く、方向性がは無くランダムに配置されている一方で、OSBの場合は薄く細長い木片を直行させるように配置していますので曲げ強度はOSBの方が強くなります。

なお、廃材などを主な主原料としているパーティクルボード類の中で、OSBやウェハーボードについてはその見た目の印象からも、端材や廃材をリサイクルした材料だと誤解されがちですが実は、ポプラの一種でもあるアスペンなど、そのままでは曲げ強度が得られない素材を構造材として使えるように開発したのが始まりの故、その材料は、ほとんどの場合新品の丸太を砕いて使用しているそうです。(具体的には、木材を薄い削片状にしてから乾燥させ、熱硬化性接着剤を混ぜて積層し、高温でプレス)

3.接着材による区分

接着材による区分では三種の接着材の名前の頭文字がそのまま記号になっています。

1:ユリア樹脂系またはこれと性能が同等以上のものは「Uタイプ」。

2:ユリア・メラミン共縮合樹脂系またはこれと性能が同等以上のものは「Mタイプ」。

3:フェノール樹脂系又はこれと性能が同等以上のものは「Pタイプ」。

強度はUMPの順に強くなりますのでUは家具やキャビネット類に向き、MPは建築の床下地、内壁、外壁の下地、その他造作などにも使われます。

この強度の順番はそのまま耐水性にも反映し、耐水性の区分では次のようになります。

記号区分主な用途
REG(U)普通(Uタイプ)家具、キャビネットなど
MR1(M)耐水1(Mタイプ)建築下地(床、壁、野地)、造作部材など
MR(P)耐水2(Pタイプ)高い耐水性が求められる建築下地(床、壁、野地)、造作部材など
参考:JIS A 5908 2015

4.ホルムアルデヒド放散量による区分

ホルムアルデヒド放散量による区分の記号は次のように表します。

記号ホルムアルデヒド放散量の平均値ホルムアルデヒド放散量の最大値
F☆☆☆☆0.3㎎/L以下0.4㎎/L以下
F☆☆☆0.5㎜/L以下0.7㎜/L以下
F☆☆1.5㎎/L2.1㎎/L以下
参考:JIS A 5908 2015

私が勤める職場で普段使っているものでもそうですし、おそらく大体の家具工場で使用されているのは「フォースター」と呼ばれるもっともホルムアルデヒド放散量が少ないものですが、忘れてならないのは「F☆☆☆☆フォースター」であってもホルムアルデヒドは放散され続けているという事実で、この手の木質材料には少ないとは言え、有害物質のリスクがあるのが現状です。 


パーティクルボードの製造方法

パーティクルボードは単層、2層、3層、および多層とあるが、一般に普及している市販のボードは3層のものが多いようです。
層自体の製法としては平板で圧縮してつくる製造法(これをホモゲンホルツ法またはノボパン法という)とピストンの往復運動で押し出す方法(これをクライバウム法またはレーン法という)があります。前者が一般的の方法で、後者はチップの並び方が一方向に並ぶため曲げ強さに弱いボートとなり、通常は普通は単板または合板をオーバーレイ(両面に貼り付ける)して利用されます

パーティクルボードの性質

原料の種類や製法、比重などによって異なる性質ですが、FAO(国連食糧農業機関:1958)では次のように区分しているようです。

  1. 軽量⇒比重0.3
  2. 中密度⇒比重0.40~0.80
  3. 硬質⇒比重0.80~1.05

このうち軽量は特殊な用途に使われ、中密度と硬質は家具、建築に使われます。

水分に弱いパーティクルボード

パーティクルボードは水分を吸いやすいため、膨潤しやすい材料です。
特に厚さ方向の膨潤率が無垢材の2~3倍と高く、比重に比例して大きくなり、中密度と硬質パーティクルボードとを比べるとその差は5~35%にもなります。
ところが板面方向の膨潤は厚さ方向に比べると極めて少ないのがパーティクルボードの特徴です。
パーティクルボードのこの性質の対策として、利用する際にはボードに各種オーバーレイ材料を張るか塗装を施す(特に小口面を厳重に)ことが必須と言えるでしょう。

熱・音に対する性質

熱に対しては比重が高くなるほど熱の伝わり方は速くなるのが普通で、その遮熱効果は無垢材同等かそれ以上です。
音に対して、吸音率は素材や加工法、建築物の施工法により違いがでますが吸音効果としては金属以上で無垢材と同程度にあるようです。

曲げ強さに対する性質

曲げ強さはボードの一般的強度を示すのに重要な要素ですが、一般にこれは比重が増すと強度も比例して大きくなります。
その他の強さでも比重が大きくなるにつれて大きくなるのが以下の表からも分かります。

種類比重曲げ強さ
(N/㎟)
引張り強さ
(表面に平行N/㎟)
引張り強さ
(表面に直角N/㎟)
圧縮強さ
(表面平行N/㎟)
吸水率
20℃24h
(%)
最大線
膨潤率
(%)
軽量0.33~5

中庸0.4~0.810~505~250.2~1.210~2020~750.4
硬質0.8~1.0521~532~17.52~320~3015~400.75
出典元:JIS A 5908 2015

これらの性質から、木材加工と関係の深い木ねじの接合強さを強くするためには高比重のボードを用いる必要がある事が分かります。

パーティクルボードの加工上の注意点

パーティクルボードを使用して家具等をつくる場合、性質上狂いが発生するので、原則として両面をに同一の材料(単板や合板、プラスティック材料など)を貼り付けて使用するべきです。
その際、両面の条件がそろうように、木材なら同一の樹種、含水率(10%前後)、厚みにし、片面張りの場合でも、もう一方の面には防湿処理を行います。
また、塗装をする場合にも同種の塗料を両面に塗装し、片面の場合はもう一方の面にやはり防湿処理を施さなければなりません。
パーティクルボードは木口面からの吸湿が平面に比べて急速で大きいため、添え木、単板またはプラスティック材料を接着する必要があります。これを端面処理(たんめんしょり)と言いますが、パーティクルボードは原則として端面処理を施さなければ、使えない位の狂いが発生するのが大きな特徴と言えます。

最後に

先日、仕事でアイカの「メラミン・ポストフォーム扉」という商品を使用することがありました。この商品はサイズや表面材、面の大きさを指定するとアイカ工場の方ですべて加工してもらえるのでこちらの手間が省けます。
ツルツルした表面はプリント紙の木目が張ってあり、木製品とはほど遠いですが、見ようによっては高級感や清潔感のある扉に仕上がってきます。
ショップやホテル、マンションの造り付け収納などによく使われていそうな商品です。
その扉にスライド蝶番用のざぐり穴を開けたところ、芯材にはわりと粗めのパーティクルボードが使われていました。
なるほど重量も結構ある(同サイズの広葉樹無垢材より重い)この商品。大手企業の目玉商品の1つですが、数多く存在する木質材料の中で、このパーティクルボードが使われていると言うことは、おそらく今現在、量産性と経済性が高いボードの代表格といえるのではないでしょうか。あくまでも私の推測ですが・・・。







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