普通合板ってどんな合板? 特類、1類、2類の意味は?

ここでは一般によく「ベニヤ板」という呼ばれ方をしている普通合板についてまとめました。










普通合板(ふつうごうはん)とは

一般に「ベニヤ板」と呼ばれることもありますが、「ベニヤ」は単板(たんぱん)を意味するので単板を複数枚、張り合わせたものはベニヤではなく「合板(ごうはん)」といいます。

中でもクロスバンド構造(単板を奇数枚、繊維を直交させて重ね張りした構造)のものを特に普通合板といいます。

用途は特に定められていませんが現実的には造作や家具、什器などで主に使用されていると思います。
家具製作の現場では治具づくりに欠かせない存在です。

単板の切削方法についてはこちらのページでまとめています。

普通合板の規格

「合板」にあえて「普通」とつけているのは、合板には普通合板以外にもJAS(日本農林規格)により、いくつかの種類に分類されているからです。

JASによる合板の分類

  • 普通合板
  • コンクリート型枠用合板
  • 構造用合板
  • 化粧ばり構造用合板
  • 天然木化粧合板
  • 特殊加工化粧合板

まず「合板」をこれら6つの種類に分けています。

よく混同されるコンパネ構造用合板ですが、合板は合板でもこれら6つの種類に分類されているため、見た目は似ていても、その用途などに違いがあります。

さらにJASではそれぞれの合板を接着程度の条件によって特類、1類、2類に分け、特殊加工化粧合板では主な用途によってFタイプ、FWタイプ、Wタイプ、SWタイプに分けています。

JAS規格ではかなり細かく定義、分類されていますので全て把握するのは大変ですが、家具製作では普通合板の規格をザックリと押さえておけば問題ないかと思います。

参考リンク:JAS(日本農林規格)による合板の規格(JASページのPDF資料)

家具製作に使う普通合板を選ぶ際は、特にホルムアルデヒドの放出量を示す表示を見て「F☆☆☆☆」と書かれているものを選ぶべきかと思います。

これは試材による試験結果で最も放出量が少ないものに値します。

普通合板の主な材料

普通合板に使われる材料としてはとくに材料によって決められているわけではありません。

ただ実際には主にラワンやファルカタなどの南洋材が主流のため、一般にこの普通合板は「ラワン合板」と呼ばれる事も多いと思います。

つまりよく混同されがちなコンパネ、構造用合板、ラワン合板。これらはすべて別物ということです。

因みに強度に関してはラワン合板>構造用合板>コンパネの順ですが、耐水性に関してはコンパネも、強いです。
 これはそもそもコンパネは屋外で使う用途なので耐水性のある接着材でつくられているからです。
ただし他の点では普通合板や構造用合板に劣ると思っていた方が良いでしょう。

コンパネ、構造用合板、ラワン合板の違い

普通合板のサイズ

普通合板を構成する単板の厚さは0.8~4.2㎜のものが利用され、できあがる合板の厚さはその単板の重ね合わせる枚数により構成します。
重ね合わせる時のプレスとサンディングにより多少厚みが減るので、例えば2.7㎜の合板をつくるのに使う単板は0.8㎜、1.3㎜、0.8㎜のように足しても2.7㎜より0.2㎜厚くなる計算です。
この要領でそれぞれの厚みを奇数枚で構成します。

普通合板の標準サイズは次の表の通りです。

長さ厚さ
910
1820
2130
2430
2730
3030
9102.3
2.5
2.7
3.0
3.5
4.0
5.5
6.0
9.0
12.0
15.0
18.0
21.0
24.0
1820
610
760
1220
2000850
1000
24301220
JAS規格 2014 第303号より抜粋

たくさんありますが、実際に市場に流通しているほとんどは幅910㎜×1820㎜または1220㎜×2430㎜のサイズではないでしょうか。
業界では通称、前者は3尺×6尺で「さぶろく」、後者は4尺×8尺で「しはち」または「よんぱち」と呼ばれています。

普通合板の接着材

先に触れたように普通合板の類別にも特類、1類、2類とあるわけですがこれは使われる接着材の性質に由来します。

特類:タイプ1(完全耐水性)

このタイプの合板の接着には耐久性に優れるフェノール樹脂接着剤を用いたものを標準としています。長時間、外気や湿度の高い状態にさらされても、剥離しませんので建築の外壁やコンクリート型枠などにも向いています。

1類:タイプ2(高度耐水性)

このタイプの合板の接着は、メラミン樹脂接着剤を用いたものを標準としていて、多少湿度の高いところなら剥離しない合板です。内装用に向いています。

2類:タイプ3(普通耐水性)

このタイプの合板は、小麦粉などを利用した増量剤で増量したユリア樹脂接着剤を用いたものが標準となっています。これは湿度が高いところでは剥離する可能性があるようですので用途としてはあまり耐湿性が問われない屋内、家具の一部や仮工事などに向いています。

最後に

最後に普段、仕事で家具を手がけている立場で思う事があります。
私の普段の仕事では無垢材が基本なので合板はあまり使いませんが、それでもやはり合板を使うことで合理的にできる場面には使用することもあります。

その時、特に感じるのは加工中に出る粉じんの不快感です。
無垢材を切ったり削ったりする時の粉じんでは何でもないのに、合板を切り回していると目や鼻がものすごく刺激を感じアレルギー反応を起こします。

これは私に限らず経験者は分かると思いますが、合板は確かに使い勝手がよく便利ではある反面、使用する際には十分その欠点についても気をつけていかないといけないと思います。

接着材は化学合成物質であり、その人体に対する悪影響は今日でも少なくありません。
近頃では無害な接着材の開発も進んでいるようですが、まだ合板に使われる接着材の量たるや半端ではないですから割高になる優良接着材は使用されにくく、特に建築業界では予算や作業効率の面で妥協せざるを得ないのも現実でしょう。

それなら、せめて家具くらい無垢材でつくられたものを末永く使っていくべきではないでしょうか。

無垢材が経年変化で醸し出す魅力的な風合いは、とても合板や塗料で塗りつぶした材料にだせるものではありません。
そういった面からも合板はあくまでも無垢材とは全く違った性質の建材であって、無垢材の代用品とはなり得ないのものだと思います。


特殊合板についてはこちら

無垢材についてあらためて知りたい方はこちら







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