廃墟だった建物を予算の無い中、なんとか家具工房に生まれ変わらせるため、当時はあらゆることを自力でこなさざるを得なかったわけですが、そんな中でも、専門外で非常に面倒だったのが水の確保です。
以前は自動車整備工場として使っていたらしい建物ですが実は最初から水道が引かれていませんでした。
前オーナーは水をどうしていたかというと、地下水です。
ところが、以前設置されていたポンプはゴミの山の中に埋もれていて姿がみえません。
せっせとゴミを片付けてようやく見えてきたその姿はこの有様でした・・・。
ということで、必要に迫られ、浅井戸ポンプについていろいろと調べながら悪戦苦闘する事となりました。備忘録を兼ねてここにまとめておこうと思います。
あくまでも素人のやった一例、ということで参考程度にお願いします。
DIYで浅井戸ポンプを決意
実はポンプがもう使えなくなっている事は不動産屋さんから聞いていました。
その上で、修理交換の見積書も頂いていました。
その内容が次の通りです。
- 既設ポンプ200V⇒100V交換電気工事 28000円
- ポンプ テラル浅井戸400W 120441円
- ポンプ廻りのパイプ、継ぎ手 一式 9300円
- 工事費 一式 16000円
合計173741円が業者さんに発注した場合の、その費用だそうです。
こういうことは滅多に発注することなど無いだけに、この見積もりが高いのか妥当なのか、検討がつきませんが、金額だけで考えれば私にとって高額なのは間違いありませんので自身で交換することを決めました。
ポンプの選定
まずはポンプの選定です。
といってもど素人の私には何を選んでいいか見当も付きません。
ホームセンターに売っているものを適当に選んで失敗したくもないので、まずは先ほどの見積りでプロが選定したポンプと同等のものを探してみることにしました。
「テラル 浅井戸 100V 400W」これを参考にネットで検索してみると・・・
10万~12万円前後でインバーター式のものが買えるようです。
無難に行くならこの手のものを購入して自分で設置すれば工事費が浮いて節約、ということになりますが、もっと大幅に節約するにはリスクはありますが中古ポンプを使うという選択です。
ポンプの設置条件の確認
というかそもそも本当に400Wも必要なのかな?という疑問も沸いたので、今一度既存のポンプの詳細を見てみることにしました。
見えにくいですが「定格消費電力750W」とあります。
元は200Vで750Wだったのをプロの業者さんが100V、400Wのポンプで大丈夫、と見積もったのなら、もしかしたらそんなにここは重要じゃないのかなと思い、もう少し安価なポンプの詳細を見てみると分かってきたのが、ポンプには「吸い上げ高さ」と「押し上げ高さ」という性能表示があること。
既存のポンプでは
- 吸い上げ高さ 8メートル
- 押し上げ高さ 16メートル
となっていてさらには「揚水量ℓ/min」、つまりは一分間に何リットルの水が出るか、ですね。
既存のポンプでは42ℓ/min(全揚程12m時)
とありました。
ポンプの性能には様々な条件に合わせて様々なものがあるんだなということが分かりました。(当たり前か)
ここで、今一度自分の設置しようとしている条件を見直してみました。
井戸の穴をのぞくと水表面が見えます。 適当な長い針金を垂らして測ってみると水位は深さ7メートルより浅い位置にあります。
つまり、吸い上げ高さが8メートルのものならOK!のハズです。
そして押し上げ高さですが、これは1階建てのここの建物の配管をたどってみるとせいぜい2メートル程度の高さで済んでいるようです。
なので押上げ高さは16メートルも必要なさそうです。
それに、そもそもここで使う水ははっきり言って使えれば良い、程度で水圧もそれほど必要ありません。揚水量は30ℓ/minもあれば十分なのではないか、と素人なりに結論をだしました。
再度、ポンプの選定
あらためて自分が使う環境を確認してから「浅井戸ポンプ」をネットで検索してみると、いろいろとあるもので、性能的に低いものでは5万円程度からあるのが分かります。
詳しく調べていると、「やはりポンプは消耗する部品も多いので新品を購入した方が良い」、といった意見も見られました。
それはそうでしょうが、そもそも高額な新品が買えるならプロに頼んでいるのですから予定通り中古で探します。
選んだのは
- テラル 家庭用井戸ポンプ PG-202ADC
決め手は、何でも良いとは言え、もちろん設置条件を満たしていたことと、信頼できそうなメーカー「テラル」であること。
公式ページの参考価格105000円のこの商品もヤフオクでは29000円で落札できました。
浅井戸ポンプの取り付け
水道の蛇口は全部で3カ所。配管の高さは最高位で2メートル程度。井戸の水面までの深さが7メートルに満たない設置場所に、
- 吸い上げ高さ 8メートル
- 押し上げ高さ 12メートル
- 揚水量 35ℓ/min
このポンプ(テラル 家庭用井戸ポンプ PG-202ADC)の選定が正しいのかどうか分かりませんが
それでも結果的には今現在は全く問題なく使用できているので良かったのだと思います。
ですがこの状態に持ってくるまでは、素人ならではの悪戦苦闘がありましたので振り返ります。
パイプ継ぎ手の方法が分からない
今まで、水道の配管工事などやったことがないのですから、もちろんパイプをどう繋げていけば良いか分かりません。
幸い、古いポンプの配管が残っているので見よう見まねでとにかく適当なパイプをホームセンターで見つくろって繋げてみました。配管の接合部には塩ビ管用の接着材が売っていたので今回はこちらの「エスロン」を使ってみました。
ポンプの呼び水口から水を適量入れて、
おそるおそる電源を繋げると・・・。
待つこと30秒くらいでしょうか。出てきました!!
後は吐き出し側の配管処理をすれば完了なので、ここまでくれば一安心。
と、思いきや・・・。
浅井戸ポンプの配管で注意すべき点
やった!難なく水が使える様になった。と喜んでいたのも束の間。
配管を全部つなぎ終えた水道から出てくる水はなんとも頼りなく、ゴボゴボ音を出しながら、その量は微量。 途中止まったりして、かろうじて手を洗えるくらいでした。
これはいかに? そもそもポンプが中古品ですからもしかしたら原因はポンプにあるかも知れないし、または井戸の水量自体が減っているのか?または配管に問題があるのか?
?だらけでどうして良いか分からず、とりあえず微量のまましばらく数日間使っていました。
浅井戸ポンプが蛇口を閉めても動くときの原因
水が途切れ途切れでなんともたよりない出方をする原因の糸口すら分からないまま使い続けて数日後、蛇口を開けていないのにポンプが止まらない、という状況になりました。
そして完全に水が出てきません。
こうなると仕方ないので、それまで面倒であまり読んでいなかった取説を熟読。(最初から読めばよいものを!)
そしてようやく分かった事が、
蛇口から出てくる水が「ゴボゴボ」音を出していたらそれは吸い上げている管のどこかから空気が入っている証拠
と言うこと。
もう一度配管を見直してみると、パっと見では分からなかったのですが、一つの決定的なヘマをしていることに気がつきました。
この部分です。
塩ビ管と金属のフランジの接続部分にちらっと白いものが見えるのがシールテープです。
きっとプロなどに言わせれば基本中の基本なのでしょうが、かなり重要部分らしく、説明書にはここに「5回以上シールテープを巻き付ける」としっかり書いてありました。。。
結果から言うと、テープは巻いていたのですが巻き方が甘く、ここから水は漏れていなくても空気が入ってしまっていたことで、水を吸い上げる力が足りなかったようです。
そこに行きつくまでも約一ヶ月くらい、ああでもない、こうでもないと悪戦苦闘しました。。
吐き出し口側にはメンテナンス時のためにバルブを付けておく必要もあるようなので、付けました。(本来は金属のもっとしっかりしたものがベター)
それから砂が多く混じる井戸では吸い上げてポンプ接続する途中に「砂取り器」なるものを付けるのが好ましいようですが高価だったので却下。
替わりに吸い上げ管の先端にストレーナという網状の部品をつけて終了です。
ということで浅井戸ポンプ交換を素人がやった場合の悪い例としてご参考になればと思います。