LVL(単板積層材)とは何か|合板との違いと用途

木材

合板とよく似た材料に「単板積層材」というものがある。
見た目はなんとなく似ているが、構造も役割も実はかなり違う。
ここではその違いと用途について整理してみる。

 

単板積層材と合板の違い

合板は、単板(ベニヤ)を繊維方向が互いに直交するように、奇数枚重ねて接着した材料である。
これに対して単板積層材は、単板の繊維方向をすべて平行にして重ねていく。
この構造の違いが、用途の違いにもそのまま現れてくる。

単板積層材は「平行合板」とも呼ばれ、英語では Laminated Veneer Lumber
頭文字をとってLVLと呼ばれることが多い。

合板は比較的広い面積の板材として使われることが多いが、LVLはむしろ棒状の構造材として使われることが多い。
つまり、建築などの骨組みとして利用される材料である。

その理由は単純で、強度と安定性に優れているからだ。
LVLは高温硬化型フェノール樹脂などの合成接着剤を用いて圧着される。接着剤は単板内部まで浸透し、材料全体を均質化する。

衝撃強さこそ天然木よりやや下がることがあるものの、曲げ強度など多くの性能は向上し、しかも材質のばらつきが少ない。
さらに吸湿による狂いも小さく、非常に安定した材料になる。

硬化積層材

同じ積層材でも、さらに極端な加工を施したものが「硬化積層材」である。

これは木材の細胞の空隙をほぼ無くすほど強く圧縮することで、比重は1.25〜1.40程度まで上昇する。
強度は素材木材と比べて非常に大きく、曲げ強さは3〜5倍、硬さは板目面の木材と比べて30〜40倍にもなると言われている。

材料にはブナやマカンバなどが使われることが多い。
0.5〜3mmほどの単板にロータリー切削した後、乾燥させ、アルコール溶性フェノール樹脂を塗布、あるいは浸漬する。

その後、60〜80℃で数時間乾燥して溶剤を飛ばし、さらに19.6〜29.4MPaという高圧力、140〜150℃の温度で熱圧して製造される。

こうして作られる材料は、もはや木材というより工業材料に近い性格を持つ。

積層する前の段階からかなり手間のかかる工程である。
建築の骨組みなどに使われる以上、十分な乾燥と高温高圧による処理は不可欠なのだろう。

まとめ

LVLが使われる主な用途

LVLは主に建築用の構造材として使われることが多い。
住宅の梁や桁、柱の補強材など、いわば「骨格」を作る部分である。

天然木の角材の場合、節や繊維のばらつきによって強度に個体差が生まれる。
しかしLVLは薄い単板を積層して作るため材質のばらつきが小さく、強度を比較的安定して確保できる。

そのため近年では、プレカット工場などでも構造材として広く利用されている。

また建築用途以外にも、次のような場所で使われることがある。

  • ドアや家具の芯材(フラッシュ構造)
  • 階段材
  • 大型家具の内部構造
  • 梱包用パレット

見える部分に使われることは少ないが、
構造を支える裏方の材料としてはかなり優秀な存在である。

木工用途としてのLVL

LVLは基本的に建築用材料だが、木工でも芯材として使われることがある。

たとえばフラッシュ構造の家具では、内部の骨格としてLVLが使われる場合がある。
反りや狂いが少ないため、長い部材でも比較的安定しているからだ。

ただし表面材として使うことはあまりない。
単板の積層がそのまま現れるため、見た目はやや工業材料的で、天然木の表情とは少し違うからである。

つまりLVLは、
見せる木ではなく、支える木と言った方が近いかもしれない。

私見

過去にフラッシュ構造の心材としてLVLを使ったことがある。
実際に触ってみるとかなり硬く、強度的な不安はまったく感じなかった。

また、本来の用途とは少し違うが、木工房の床材としてLVLを敷き詰めて使っている人もいる。
これがなかなか合理的で、比較的低コストで丈夫な床になるらしい。

木材と工業材料の中間のような存在。
LVLはそんな不思議なポジションの材料である。


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