一見、合板と似ている積層材ですが、その違いや用途等を調べました。
単板積層材と合板の違い
合板は単板を直交に奇数枚重ねて張り合わせるのに対して、単板積層材は繊維方向を直交ではなく平行に張り合わせていくのが特徴です。「平行合板」ともいいますし、英語ではLaminated Veneer Lumberといい、頭文字から「LVL」とも言われています。
合板の用途は比較的幅広な板として使うものが多いですが、積層合板の主な用途は骨組材として比較的幅が狭く厚みのある棒状の部材として使われます。
骨組みとして使われる理由はその強度です。高温度硬化フェノール樹脂などの合成接着材を用い、合成樹脂が単板内部まで浸透させたものは、衝撃強さこそ元の素材よりやや低下するものの、他の部分では素材より上がり、全体に平均化する上、吸湿による変形はほとんどなく、安定した材料となります。
硬化積層材
同じ積層材でも硬化積層材は木材の細胞空げきをほとんど無くすことで比重も1.25~1.40程度重くなりその材料の強さは素材と比べ曲げ強さが3~5倍、硬さは木材板目面と比べ30~40倍にもなるそうです。
使われる材料はブナやマカンバなどで、0.5~3㎜程度の単板に切削(ロータリー)した後、天然、或いは人工乾燥した後、アルコール溶性フェノール樹脂を塗布するか、或いはその中に浸せきし、数時間60~80℃で乾燥させ、溶剤を発散させた単板を19.6~29.4MPaの高圧力で140~150℃の温度で熱圧して製造するのだそうです。
積層する前段階から手間がかかりそうです。多用途に使われる合板と違い、主に建築の骨組みに使うため、より強固な材料を得るには十分な乾燥と高温高圧力が必須なのでしょうか。
私見
過去に何度かLVLをフラッシュの心材として使った事がありますが強度的には問題ないほどの硬さを感じました。
また、本来の用途とは少し違うかも知れませんが木工房の床に敷き詰めて使っている方を知っています。これが結構低予算で使える様です。
もはや普通合板とは材料としては全く別物と考えるべきで、どちらかと言えばその特徴は集成材に近い気もしますが、積層材は吸湿性が小さいため、集成材よりもさらに安定した材料と言えそうです。