無垢材ってなに? 木製家具の材料について

皆さんは家具を買うとき、一番気をつける点ってどこでしょうか?

価格?
デザイン?
またはブランドでしょうか?
はたまた生産国?

判断基準はいろいろあると思いますが、私がオススメしたいのはまず、「無垢材で作られていること。」
つまり「材料」を重視することです。

もちろん無垢材以外がすべて価値がないとは思いません。

今や私達現代人の生活スタイルは多岐に渡りますから必要条件が満たされていればそれはそれで家具として十分と言えるのですから。

ただ、そんな中でも

末永く、愛着を持って使っていきたいものをお探しでしたら、それはもう「無垢材」が一番だと思うのです。

今回はなぜ、私が無垢材をおすすめしたいのかをまとめてみます。








無垢材とは

「無垢材(むくざい)ってなに」のようなワードでネット検索してみると多くの説明では「混じりけのない材料」というところから「丸太から切り出した木材そのもの」といった説明がされています。

確かにその通りです。無垢材は丸太から必要な形状に切り出した木材のことをいいますが、ではなぜ木材のことを説明するのに「無垢材」といった表現をしなくてはいけないのでしょうか?
 木材はもともと木の材料のことをいうはずですから「無垢材」と、わざわざ言わなくても「木材」とか「木製」といえば丸太から切り出した材料のことではないの?って思いませんか?

私も実は木工について学び始めるまではそんな事、意識したこともなく、漠然と「木製品」といえば「丸太から切り出した材料で作られてるんでしょって思っていました。

ところが実際には原料は丸太でも、混じり気がある材料が存在するんです。つまり丸太を原料にして「人工的に作られた木材」とも言えますね。

その代表格が一般に「ベニヤ板」と呼ばれる類いのものです。
この「veneer/ベニヤ」は本来「単板(たんぱん)」を意味しますから、これだけでは丸太から薄くスライス(主に0.8~4.2㎜厚)した状態のものを指します。

この単板を繊維方向を直交させながら重ねてプレス接着したものを「合板(ごうはん)」と呼びます。

一般には「ベニヤ板」と呼ばれている材料は、つまり正確にはこの「合板」の事です。

合板にも種類はたくさんありますが合板以外にも、パーティクルボードやファイバーボード、積層材、集成材などの「無垢材」ではない人工的な木材があるわけです。

といわけで「木材」の種類を説明するとき、あえて「無垢材」か否かを示す必要があるんですね。

このようにたくさんの人工的な木材があるわけですが、これらの材料ができたのは何より20世紀に入ってからの化学工業の発展に伴う合成接着剤の開発に起因します
(1915年にフェノール樹脂、1940年にはエポキシ樹脂が接着剤として初めて大量生産される)

つまり、これらの無垢材以外の材料には大量の接着剤が使われるというところがポイントです。

これらは総称として「木質材料(もくしつざいりょう)」とも言います。

木質材料についてはこちら

無垢材の種類

無垢材の種類にはどのようなものがあるのかと言えばそれは地球上に存在する木と同じだけあるのですから簡単には挙げきれないくらいあります。

押さえておくべきポイントは、無垢材には「針葉樹」と「広葉樹」があると言う点です。

生物学的には針葉樹の方が先輩で細胞組織が単純にできています。
その後、進化をとげ、少し複雑になった種が広葉樹です。

そのせいか特徴的にざっくり言えば、針葉樹は軽く、スカスカした感じで、広葉樹は固めでドッシリとしたものが多いです。(例外もありますが)

日本では針葉樹である檜や杉、松でつくられた家具も見られますが、これは日本の家具の歴史が浅く、ほとんど建築材中心に林業が行われてきた経緯が関係するようです。

針葉樹は成長も早く、比較的垂直にまっすぐ伸びるので建築材に重宝したのです。
その上和室の文化には家具をたくさん置く、と言うことは好まれません。

家具は二の次だった日本が近代化して一般家庭にテーブルや椅子が使われるようになったのは長い歴史から見るとごく最近の話なのです。

最近では地産地消の観点から檜や杉、唐松などの材料で家具も作ろう!といった動きが一部にはあるようですが、個人的には、やはり加工しやすさとか耐久面、仕上がりの見栄えの点から、家具には針葉樹よりも広葉樹が向いていると思っています。

世界を見渡せば針葉樹、広葉樹にこだわらず、その地で取れる木材をうまく利用して古くから家具が作られていますから、どちらでなければいけないってことは無いと思いますが、針葉樹の家具と広葉樹の家具を実際に見比べてみるとその違いが分かると思います。

特に家具に使われている広葉樹の主要木材

ここで特に家具に使われている「広葉樹の主要木材」を挙げてみます。

国産主要材

  • ヤマザクラ【バラ科】
  • マカンバ、樺(かば)【カバノキ科】
  • ブナ【ブナ科】
  • ナラ【ブナ科】
  • シラカシ【ブナ科】
  • ハルニレ、アカダモ【ニレ科】
  • ケヤキ【ニレ科】
  • カツラ【カツラ科】
  • ホオノキ【モクレン科】
  • イタヤカエデ【カエデ科】
  • ヤチダモ【モクセイ科】
  • シオジ【モクセイ科】
  • キリ,桐【ゴマノハグサ科】
  • 山桑(山桑)【クワ科)
  • セン、センノキ【ウコギ科】
  • トチノキ、栃【トチノキ科】
  • クリ、シバグリ、ヤマグリ【ブナ科】
  • タブノキ、イヌグス、楠【クスノキ科】
  • イチイ、一位【イチイ科】

外国産主要材

  • ホワイトメランチ【フタバガキ科Anthoshorea属】 産地:インド、スリランカ、マラヤ、インドシナ、フィリピンなど
  • ライトレッドメランチ【フタバガキ科Shorea属】 産地:タイ、マラヤ、スマトラ、フィリピン、ボルネオなど
  • プジック(phdiek)、メルサワ、パロサピス【フタバガキ科Anisoptera属】 産地:ミャンマー、タイ、インドシナ、マラヤ、スマトラ、ボルネオなど
  • アピトン、クルイン【フタバガキ科Dipterocarpus属】 産地:インド、スリランカ、フィリピン、スマトラなど
  • シロラワン、ホワイトラワン【フタバガキ科Pentacme属】 産地:フィリピンなど
  • アカラワン、レッドラワン「フタバガキ科Rubroshorea属】 産地:フィリピンなど
  • メンクラン、テラリン(teraling)【アオギリ科】 産地:インドシナ、マレイ半島、フィリピン、スマトラ、ボルネオなど
  • ラミン【ゴニスチル科】 産地:マラヤ、フィリピン、ボルネオ、スマトラなど
  • ジョンコン【ノボタン科】 産地:ボルネオなど
  • チーク【クマツズラ科】 産地:ミャンマー、インド、ビルマ、タイなど
  • 紫檀(シタン)【マメ科】 産地:タイ、カンボジア、ベトナムなど
  • ローズウッド【マメ科】 産地:インド、ミャンマー、インドネシアなど
  • 黒檀(コクタン)【カキノキ科】 産地:熱帯アジア、アフリカ、ニューギニアなど
  • マホガニー【センダン科】 産地:コロンビア、ベネズエラ、ペルー、ボリビア、ブラジルなど
  • ブラックウォルナット【クルミ科】 産地:アメリカ、カナダ東部
  • ハードメイプル【カエデ科】 産地:カナダ東部、アメリカ中西部、北東部
  • ソフトメイプル(レッドメイプル、シルバーメイプル)【カエデ科】 産地:アメリカ、カナダ
  • ホワイトオーク【ブナ科】 産地:カナダ東南部、アメリカ北東部
  • レッドオーク【ブナ科】 産地:アメリカ東部、カナダ南東部
  • ホワイトアッシュ【モクセイ科】 産地:カナダのケープブレトン島、ノヴァスコシアからオンタリオ南部、アメリカのフロリダ北部、テキサス東部
  • アルダー、オルダー、レッドオルダー【カバノキ科】 産地:北米大陸のアラスカ南部からカリフォルニア南部
  • ブラックチェリー、チェリー【バラ科】 産地:アメリカ中部大西洋岸、グァテマラベネズエラ、ボリビアなど
  • イエローバーチ【カバノキ科】 産地:カナダ南東部、アメリカ北東部など
  • ビーチ【ブナ科】 産地:アメリカ大陸東部など
  • イエローポプラ【モクレン科】 産地:アメリカ東部

まだまだあるとは思いますがここではこのくらいにしておき、次にこれら無垢材の特徴について挙げてみます。

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無垢材のメリット

家具を無垢材でつくる最大のメリットは何よりその質感の良さでしょう。

見た目にもやさしく、触れた時にも温もりのある感触があり、天然そのものの材料ですから、部屋に置いたとき、空気を汚さないどころか適度に湿気を吸出する働きもあるので、まさに人が快適に生活する空間に置くには最適な材料だと思います。

また、プラスチックなどの合成樹脂素材と違い、経年変化による色の絶妙な変化や、使えば使うほど艶が増してくる自然素材ならではの楽しみ方もできるのは、長く使う上では欠かせない要素ではないでしょうか。

さらに、無垢材でしっかり作られた家具は、通常、後に修理や改造といった事が必要になった時に、十分、手を加えやすいといった特徴もメリットです。

例えばテーブルの天板などは、一皮カンナがけすれば、新品時と変わらないほど綺麗な木肌が蘇りますが、他の木質材料ではまずそうはいきません。

無垢材にはこのようなメリットがあることから、末永く、愛着を持って使いたいなら、迷わず無垢材でできた家具を選ぶべきだと私は思います。

無垢材のデメリット

メリットを挙げたのでデメリットを挙げないのはアンフェアなので書きますが、私個人的には無垢材にデメリットなど無いと感じています。

その説明は後にするとして、とりあえずよく言われる無垢材のデメリットを挙げてみましょう。

無垢材のデメリット
  1. 材料が収縮すること(商品として完成した後にも材料が幅方向に収縮します)
  2. 材料が反りやすいこと(これも使っている環境によっては起りえます)
  3. 材種によっては比較的重くなること
  4. 値段が比較的高いものが多いこと

こんなところでしょうか。

それでは一つ一つこのデメリットを解決していきましょう。

まず1、2の「材料が収縮~」ですが、これって要は作り手の問題ですよね。無垢材を専門に扱う家具メーカーや家具作家なら、当然よく理解しています。

使う材料が良く乾燥されている事とか、収縮しても支障が出ない設計がされているかといった事はこの業界では基本中の基本ですから、消費者が気をつけるべきはその家具は「どこのだれが作ったものか」といった所だけだと思います。

信頼できるメーカーや個人作家さえをみつければ、使っていく上では全く心配する必要はありません。

次に3の重さの点ですが、これはあくまでも敢えて軽さを追求した木質材料と比べたら、ということであって、特別、床が抜けるほど重い訳でもありません。

家具は基本的には一度置いたら、そうそう動かすものではありませんし同じ無垢材でも作り方次第で軽くできているものもあります。

大事なのは購入する前にその重さがどの位なのかを気にしながら選ぶことでしょうか。
特に家具で唯一、日常的に動かす椅子を選ぶ時は、重さだけでなく、その動かしやすさと構造(椅子は基本的に、ダボ組ではなくホゾ組みのものを選ぶべし)も踏まえて選ぶと良いと思います。

最後に4ですが、これも結局は相対的な話ですよね。

例えば昔は今の様に格安の大手家具店などは無く、家具はそれなりの値段して当たり前という概念が消費者全体にあったわけです。

今はあまりにも目先の売り上げばかり追いかけて海外生産品を格安で販売するメーカーや家具店が増えたおかげで、安ければ何でも良いといった消費者も増えていて、丈夫さだとか素材に目を向ける消費者との二極化が進んでいるようにも感じます。

ですからこのページを読んでくださっているあなたのように末永く、愛着を持って使える家具に興味をお持ちの人は、無垢材の家具とガラクタのような格安家具との質の違いに気づく事でその価格の差にも納得できるはずです。

つまりそれらの二つは全く別物なわけです。

その上、今は頑張って抜かりなく良いものを作っている無垢家具メーカーでも本当にぎりぎりまで価格を落とさないと売れない状況ですから、本当は決して高いはずは無く、むしろ安く提供している家具店も多いと思います。

そのことから見ても消費者にとって無垢材の家具を購入することはデメリットどころかメリットにもなるのではないでしょうか。

最後に

というわけで、私なりに「木製家具」及び「無垢材」についてまとめてみましたがいかがだったでしょうか。
何はともあれここまで読んでいただいたあなたに、少しでも無垢家具の魅力が伝わっていれば幸いです。







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