無垢の家具に使われる(使える)国産の代表的広葉樹。その種類と特徴

国産広葉樹 木材

木製家具に使用される(使用できる)木材の中で広葉樹の種類は豊富です。
このページではその主要な種類と特徴をまとめます。

国産広葉樹








国産(日本産)の主要広葉樹材

50音順に並べてもあまり意味がなく、比較しづらいのでここでは平均気乾比重順に並べてみます。

気乾比重は生育環境はもちろん、個体差や観測条件などで様々ですので、ほとんどの木材図鑑などでは例えば『キリの気乾比重:0.19~0.30』などとその範囲を表記していますが、ここではその平均値を比重の軽い順番に並べることで、前後の木材が比較対象となるのでその重硬さ、軽軟さがなんとなく想像しやすいかと思います。

名称 気乾比重(平均) 特徴 製材後の色 道管区分 従来の主な用途
キリ (以前)ゴマノハグサ科、(現在)キリ科 0.25 原産地は中国中部やウルルン島と言われているが日本では北海道南部から以南各地に植栽されていて、特に福島、岩手、新潟、茨城などが産地として有名。※【桐の主要産地】のページ

日本産の木材の中で最も軽軟で狂いが少ないのが特徴で、製品になってからも比較的形をそのまま保てるので密閉度の高いものをつくる事ができる。表面は研磨すると光沢が出る。同類のタイワンギリ、ココノエギリはよく似ていて今では台湾、中国、米国、ブラジルなどからの輸入材も多く流通している。

 

心材:淡褐色

辺材:淡色

境界:明らかでない

散孔材に近い環孔材 家具(箪笥など)、器具、建具、箱、楽器(琴など)、彫刻、下駄、羽子板
シナノキ シナノキ科 0.48 北海道、本州、四国、九州に分布し、なかでも北海道が産地として知られる。「オオバボダイジュ」はよく似た類いでシナノキをアカシナ、後者をアオシナとも呼ぶ。ヨーロッパの「リンデンバウム(ボダイジュ)」も同類。
木理はほぼ通直で軽軟、年輪ははっきりせず均質で加工しやすいため広い範囲で用いられる。一方、保存性は低く水湿には弱い。木材中に含まれる抽出成分により尿素樹脂系接着剤やセメントの接着、硬化不良がおきたり、釘などの鉄汚染が材中の酸により起きる。
心材:淡黄褐色

辺材:淡黄白色

境界:やや不明瞭

散孔材 キャビネット、彫刻、箱、鉛筆、割り箸、器具、合板用単板

※樹皮の繊維は強く、織物に広く使われる。

※アオシナ(オオバボダイジュ)は品質が劣る

ホオノキ モクレン科 0.48 北海道、本州、四国、九州、沖縄、南千島、朝鮮、中国中部に分布だが蓄積は多くない。葉は食べ物を包むのに用いられている。
木材は軟らかく均一で肌目は精。保存性は低いが切削、彫刻などの加工は非常にしやすく、狂いも少ないため細かい彫刻にも向いている。
心材:くすんだ緑色

辺材:くすんだ灰色

境界:あまり明らかではない

散孔材 彫刻、指物、機械、箱、寄せ木、建築内装、器具、製図板、定規、刃物の鞘、まな板
カツラ カツラ科 0.49 早材と晩材の差が少なく、切削加工も容易なので、抽斗の側板に使われることが多かったが近年、生産量が減り、代替としてアガチスなどの南洋材が使われることが増えた。分布は北海道、本州、四国、九州に生育するが北海道に蓄積が多い。また色の濃いものを「ヒカツラ」、淡いものを「アオカツラ」とも呼ぶ。 心材:褐色

辺材:黄白色

境界:明らか

散孔材 家具(特に抽斗の側板)、彫刻、器具、洗濯板、和裁の裁ち板、碁、将棋の盤
セン ウコギ科 0.50 「センノキ」と呼ぶことがあるがこれは元来、東北地方の方言。また「ハリギリ」とも言われるがこれは木材になる前の樹につけられた名。
成長が良いと比重が高く硬くなるがこれを「オニセン」と呼ぶ。その反対は「ヌカセン」と呼ぶ。年輪は明らかで表面の仕上がりは良い。
心材:灰褐色

辺材:淡黄白色

境界:明らかでない

環孔材 家具、合板、器具、建築、下駄
クスノキ クスノキ科 0.52 本州南部、四国、九州、台湾、中国に分布するが古くから造林されているため天然分布ははっきりしなくなっている。漢字で「楠」は本来タブノキの事で「樟」が正しい。
最も特徴的なのは強い香りのある「樟脳」がとれるところでこれは古くは防虫材として使用され、政府が専売特許で採油していた。肌目は粗、木理が交錯し幹の形が凸凹、形が悪いことが多いので板にすると様々な美しい杢がでる。 乾燥の際は狂いが出やすい
心材:黄褐色、紅褐色で部分的に緑色を帯びた褐色と不均一。

辺材:淡色

境界:明らかでない

散孔材 器具、家具、建築、楽器、箱、彫刻、木魚、挽物材
トチノキ トチノキ科 0.53 北海道南部、本州、四国、九州に分布するが北海道南部と東北地方に多い。
大木になるとその幹にはコブや凸凹面になるので木理が乱れるが、これにより木材にすると美しい縮み杢、波杢などがでる。肌目は精で仕上げた面は絹のような光沢が出る。切削加工は容易。木材組織が階層状に配列しているため、板面にこまかい波状の模様(リップルマーク)が見られる。
心材:やや赤みを帯びた黄白色から淡黄褐色

辺材:心材とほとんど同様

 

散孔材 器具、玩具、家具、茶道具、他装飾的用途
クリ ブナ科 0.55 心材の保存性が非常に高く、古くから建築(特に土台)に高級材として重宝された。水湿にも強い。切削加工はやや難しく仕上がりは中庸。北海道、本州、四国、九州に分布するが特に福島、宮城、岩手、島根に蓄積が多い。土に埋めておくと黒みを帯び雅致が出てくるので指物鏡台、本箱などに好まれる。 心材:褐色

辺材:やや褐色を帯びた灰白色

境界:明らか

環孔材 建築(土台。井桁、梁など)家具、漆器木地、彫刻、杭、枕木
オニグルミ クルミ科 0.56 北海道、本州、四国、九州などに分布するが蓄積は少ない。この類いの木材はウォルナットと呼ばれ欧米などで重要な木材の1つだが米国産のブラックウォルナットとは似て非なるもの。クルミの実を目的に栽培されるのは「テウチグルミ」で木材目的に植栽されるのはこの「オニグルミ」である。肌目は粗で木理は通直。狂いも少なく加工はしやすい。 心材:くすんだ褐色で濃色で不規則な島が出ていることが多い

辺材:灰白色

境界:明らか

散孔材 洋風家具、建築、フローイング、器具、彫刻、銃床
ハルニレ ニレ科 0.59 北海道、本州、四国、九州、サハリン、朝鮮、中国などに分布。「アカダモ」と呼ぶ場合があるがこれは東北地方の方言で、ヤチダモ類とは全く関係ない。木理通直、肌目は粗。切削加工はやや難しいが、幹にコブある場合には美しい杢が現われ化粧的価値が高くなる。 心材:くすんだ褐色

辺材:くすんだ白色

境界:明らか

環孔材 家具、器具、車両、化粧単板
シイ(シイノキ) ブナ科 0.61(コジイ0.52,イタジイ0.50~0.78) ツブラジイ(コジイ)とその変種であるスタジイ(イタジイ)に分類され、一般的に前者は後者に材質的に劣る。
前者は本州の関東以西、四国、九州、沖縄、台湾、中国南東部などに分布。後者は本州の福島、新潟以南、四国、九州、沖縄、済州島などに分布し両者を合わせて「シイノキ」と呼んでいる。保存性はとくにツブラジイ(コジイ)が低い。切削などの加工は特に難しくは無いが比較的狂いやすい木材。利用されているのは主に九州。
心材:黄褐色

辺材:黄白色

境界:やや明らか

ツバラジイの方がより淡色で心、辺材の差があまり明らかではない

放射孔材 建築内装(床板など)、家具、器具、椎茸のほだ木、パルプ材、薪炭材
ヤマザクラ(サクラ類) バラ科 0.61 ヤマザクラを含む桜類には多くの種類、品種があるが木材として利用される量は案外少ない。ヤマザクラは本州、四国、九州、朝鮮にも分布。シウリザクラは本州中部以北、北海道、南千島、サハリン、中国東北部、シベリアにも分布。ウワミズザクラは北海道、本州、四国、九州に分布。いづれも貴重な木材。サクラ類の特徴はほぼヤマザクラと似ている。やや重厚で肌目は精、保存性は高く加工もしやすい。木口面をみると年輪は分かりやすく、「ピスフレック」と呼ばれるかつて虫が食害したあととなる小さな斑点が多数出る。 心材:褐色ないし赤褐色でよくみると緑っぽい濃い色の縞が不規則にみられる。

辺材:淡黄褐色ないし黄白色

境界:明らか

散孔材 器具、家具(和風が多い)、楽器、旋作、彫刻

木材業界では色がやや似ている程度のカンバ類を「サクラ」と呼ぶがサクラ類の方が材面が不均一なため装飾的価値が高い。

ヤマザクラの樹皮を使った細工物を樺細工(かばざいく)という。

イヌエンジュ マメ科 0.62 北海道、本州、四国、千島、朝鮮半島、台湾などに分布するが九州には少ない。木材として製材するには樹形は悪く成木になると心腐れがおきるため大きな材はほとんど採れず、蓄積は少ない。主に北海道で扱われる。一方山里では道具の柄としてよく使われてきた。材として、切削はやや難しいが仕上がりは良く、心材の耐久性も高く、磨くと光沢が出る。 心材:暗褐色で濃淡があり特徴的な模様を現す。

辺材:黄白色で幅が狭い

境界:明らか

やや散孔性の環孔材 器具、床柱、装飾的な内装材、楽器(三味線の胴、月琴など)、漆器木地、ろくろ細工、アートクラフト(動物の象やキーホルダーなど)
ブナ ブナ科 0.63 北海道南部(黒松町以南)から本州、四国、九州に分布。同属にイヌブナ、クロブナがあるがいづれも蓄積が非常に少なくなり資源保護が大きな問題となっている。木理は通直で放射組織が広く、高いので板目面ではゴマのような濃い色の点となり、柾目面では虎斑となる。保存性が低く伐採後すぐに薬剤処理をしなければ変色や腐朽を起こしやすい。 心材:本来心材は無いがしばしば不斉円形の濃色偽心材をもっている(この形が菊の花のようになることも)

辺材:白色ないし淡桃色

散孔材 家具(特に脚物)、曲げ木材、器具、合板、漆器木地、玩具、靴の木型、台所用品
ヤチダモ モクセイ科 0.65 北海道、本州北・中部、または朝鮮、中国サハリン、シベリアにも分布。
なかでも北海道が産地としてよくしられる。はっきりした環孔材のため、年輪ははっきりしている。成長がよく年輪幅が広いと比重が高く、重硬となり、成長が悪いと軽軟になる。
アオダモと似ているがアオダモよりやや濃色。辺材にヒラタキクイムシの害を受けやすい。シオジも同類で気乾比重は0.41~0.77程度。
心材:褐色

辺材:淡黄褐色

環孔材 家具、器具、合板、内装装飾、運動用具、化粧単板、硬式野球のバット
イタヤカエデ カエデ科 0.67 カエデ類の中でもイタヤカエデは重硬な部類。木理が不規則な事が多く縮れ杢、波杢、鳥眼杢などの美しい杢がでることがあるがそのことで切削等の加工を難しくする。
割れにくく強靱なためそれを利用した用途が多い。
心材:やや紅色を帯びた白色~淡紅褐色

辺材:心材に同じく差はほとんど無い

散孔材 家具、器具、合板、運動用具、建築、楽器、木型、こけし、ボウリングのピン、スキー板の芯
ミズナラ(ナラ) ブナ科 0.67 大量に木材を輸入している日本でミズナラは輸出している珍しい木材の1つ。
かつて大型の製材機が普及するまでは硬いミズナラを扱うのは困難だったためほとんど使用されていなかったが、明治以降、建築や家具の洋風化とともに使用が増えて、今では国内でも人気の樹種。良質な材が採れるのは主に北海道。放射組織の幅は広く、柾目面で虎斑が現われる。重硬で保存性は中庸、加工はやや難しい。
心材:褐色

辺材:淡色

境界:明らか

環孔材 洋風家具、器具、床板、運動具、洋酒樽、造船、木炭、合板、化粧単板、車両、(輸出向け)棺材
タブノキ クスノキ科 0.69 漢字でタブノキを「楠」と書き、クスノキは「樟」が正しい。
本州の岩手、青森南部以南、伊豆七島、四国、九州、沖縄、台湾、南朝鮮、中国などに分布。材にしたとき赤い色のもの「ベニタブ」、淡いものを「シロタブ」と呼ぶことがあり「アカタブ」の方が価値が高い。
クスノキ同様、木理が交錯したりするとこで美しい目が出る。保存性は中、加工は難しくない。
心材:紅褐色

辺材:やや褐色

境界:明らか

散孔材 器具、家具、建築、(床板、内装装飾)、化粧単板、彫刻、枕木、樹皮は絹織物の染料や線香に使われる。
マカンバ カバノキ科 0.69 このカンバ類を木材業界では「サクラ」または「カバザクラ」と呼ぶことが多いがあくまでも本物のサクラ類とは別物。北海道、本州北中部、南千島に分布。肌目は精、均質かつ重硬で耐摩耗性があることで幅広い用途に使われる。材面に変化が少ないのも特徴。 心材:淡紅褐色

辺材:黄白色

境界:明らか

散孔材 家具(特に洋家具)、建築(高級材扱い)、器具床板、合板、靴の木型
ミズメ カバノキ科 0.69 「ミズメザクラ」と呼ばれることもあるがカンバ類のひとつ。カンバ類の中では南方系で本州以南に分布。樹皮にサロメチールによく似た芳香がある。木理は通直で重硬、切削加工性も仕上がりも良いが木材保存性は低く、ヒラタキクイムシの害を受けやすい。 心材:紅褐色(マカンバより赤みが濃い)

辺材:黄白色

境界:明らか

散孔材 家具(特に洋家具)、洋風建築(床板、室内造作)、他マカンバと同様
アサダ カバノキ科 0.70 北海道の日高、十勝地方に多く主要産地。分布は九州の霧島山、朝鮮半島、中国にも生育しているがあまり大きくはならない。木理をほぼ通直かねじれる事もある。耐朽性は高くないが重硬で仕上げると材面に光沢がでるためか、北海道では家具にによく使われる。 心材:濃赤褐色

辺材:やや褐色を帯びた白

境界:明らか

散孔材 建築(床板、敷居など)、家具、運動具、道具、靴の木型、他マカンバの代替
アオダモ モクセイ科 0.73 ヤチダモ、シオジと同類。野球のバットの材料ではホワイトアッシュかこのアオダモが主流。現在では蓄積少なく、高価で希少。木理通直、肌目は粗。弾力性があり曲げ木にも適している。加工性も普通。北海道から九州まで分布するが北海道がもっとも蓄積あり。 心材:淡黄白色で辺材よりやや濃色

辺材:淡黄白色

境界:明らかでない

環孔材 (蓄積少ないため)野球のバットが主流、他にもスポーツ用品など強靱性が必要なもの、器具、家具など
シラカシ ブナ科 0.88 福島、新潟以南の本州、四国、九州、済州島、中国大陸中南部に分布。とくに関東地方のカシ類で代表的。
カシ類に特徴的な大きい放射組織があるため、板目面にはアカガシ同様にゴマのような模様がありこれを「カシ目」と呼ぶ。柾目面には虎斑が出る。日本産で利用されている木材の中で最も重硬なもののひとつで切削などは難しい。鉋など、木工の手工具には欠かせない材料。よく比較されるアカガシに比べ手触りが柔らかいため、道具の柄に向いている。
心材:薄く灰色がかった淡褐色

辺材:心材とほとんど差がない

放射孔材 (アカガシ同様かつては)器具、車両、機械、建築、枕木、薪炭、器具柄、櫓材など(に使われてきたが近年は出番が少ない)

主に、大工・木工・農道具、体操の平行棒、木刀、食器など

イスノキ マンサク科 0.89 カシ類に匹敵する気乾比重で非常に重く硬い。本州南部、四国、九州、沖縄、済州島、中国、台湾に分布だが日本では特に鹿児島が産地として知られる。いろいろな植物には葉や枝、芽などに昆虫が卵を産み付けることで植物組織が発達して突起となり、これを虫こぶと呼ぶが、イスノキはこの虫こぶ(概ねアブラムシ類が原因)が特にできやすいのも特徴。これによって出来る実のような形のものは、成熟すると内部が空洞になり笛として吹けることから、別名ヒョンノキ(ひょうひょうと鳴る木)とも呼ばれる。
重硬なため乾燥は難しく切削加工も難しいが仕上がり面は良く、シロアリに対する抵抗性も大きい。
心材:紅色か紫色を帯びた褐色で時々濃色の縞が不規則に現われる。

辺材:紅色を帯びた淡黄褐色

境界:明らかではない

散孔材 家具、器具、楽器(琵琶の撥など)、機械、ろくろ細工、アートクラフト、フローリング、木刀

床柱(立ち木のままからして長期間雨風にさらしてから磨き上げる手法があり、このようにこのようにしたものを「ススケ」とよぶ。)

アカガシ

 

ブナ科 0.92 日本の重硬な木材の代表的存在。福島、新潟の海岸付近から南、四国、九州、済州島、朝鮮半島南部にかけての温暖帯に分布。
保存性は中庸で切削などの加工は難しい。
表面仕上がりも良いとは言えない。
よく比較されるシラカシより割れにくいことから木槌の頭にアカガシ、柄にシラカシを使うのが一般的。
心材:淡紅褐色から赤褐色

辺材:淡黄褐色

境界:あまり明らかでない

放射孔材 (かつては)器具、車両、機械、建築、枕木、薪炭、道具の柄、足駄歯、櫓材(など広範囲に使われていたが、資源の減少、需要変化、他材料の進出で近年はあまりつかわれなくなった)

他にゲートボールスティック、屋内遊具、木槌の頭部分、木刀、長刀など

※参考:産調出版[カラーで見る 世界の木材200種]
府中家具工業共同組合[木材図鑑/ http://wp1.fuchu.jp/~kagu/mokuzai/]

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