二極化進む? 家具業界における無垢材の家具づくりはどうなるの?

二極化進む木工業界

私がこの業界(無垢材の家具製作工場)に入ってトータル11年が過ぎますが、はっきり言って業界の廃りっぷりには愕然としています。

始めてみて身をもって知ったことですが、無垢材の置き家具中心の工場(これ自体極めて少ないです)に勤める職人の待遇ときたら本当にひどい状態で、独り身ならなんとか食べていくことはできても子どもがいる家庭では皆、あきらめて他の職業に移行せざるえないでしょう。
決して若者に勧められる職業とは言えません。

ただ、若い世代でもこの職業に就いて頑張っている人も実際にいます。

そして、そういう人達は、大抵、独立を目指しています。
つまりそれだけ、本当に無垢の家具や木工が好きで始めた人にとってはこの仕事を選ぶ価値があるわけです。

一方で、無垢材ではなくポリ合板(ポリエステル化粧板)やメラミン化粧板、または突き板張りなどのいわゆる木質材料を使った造作家具の企業では仕事は絶えること無くあるようですし、求人情報も比較的多くあるようです。

今や、置き家具はテーブルと椅子以外は需要が減り、収納関係の家具は住宅に初めから造り付けのクローゼットなどがあるためわざわざ上質な置き家具を調達する人は珍しい時代。

家具職人と言っても無垢材なんてほとんど使ったことがないと言うケースもよく聞く話です。

まだまだ経験不足の私なんぞがアドバイスするのもなんですが、これから木工を仕事にしたいと考えている若者へ言えるのは、「特別無垢材にこだわりが無ければ造作家具をやっている工場に就職した方が給与や待遇は良い可能性が高い」というところでしょうか。

一方、「どうしても無垢材の風合いやその家具の魅力を生かしたものづくりがしたい」って方は最初から無垢材の家具をつくる職場を探す必要があります(求人はかなり少ないですが)。
その際、独立を目指す人は、無垢材を扱うと言うことだけでなく一人で加工から組み立てまで一貫した作業を行っている(これがさらに希少)のか?といったところも要チェックです。
完全に行程毎に分業した工場では、何年働いても独立できる技術は身につかないと思うので。


無垢家具の未来

無垢材で置き家具を造る家具職人の全体数は相当減っているものの、決して将来無くなる職業とまでは行かないと思っています。
というのも実際、生活形態が多様化している社会で本物の木材の価値を知り、評価してくれる消費者もまた、一定数いるからです。

安い量産品を買い換えながら使う人と、より本物を大事に末永く使う人がいるのは世の常ですし、一人の人がどちらかというと若いときには前者となり、歳を重ねて後者となるケースは多いと思います。
でも、全体的に無垢材での家具づくりに取り組む職人は少なくなっているのですから、その存在は重宝される事となるでしょう。
木材の特性をよく知り、それを生かして、より魅力的な家具をつくることは一朝一夕にはいきません。
世の中では「ジャパンメイド」や「職人の手仕事」といったワードが一人歩きしている観もありますが、そういった流行廃れに流されない人々もやはり常にいるわけです。

私も一応、無垢材の魅力に魅せられてこの仕事を続けている立場として、これからもずっと、ブレない仕事をしていきたいものです。

と言うことで今回は完全に私見ではありますが、自分なりに見た家具製造業の今とこれからについて思う事を書いてみました。
最後まで読んで頂きありがとうございました。








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