普通合板のページでも少し触れましたが一般的によく混同されるコンパネ、構造用合板、ラワン合板(普通合板の一種)の違いについてざっくり簡潔にまとめます。
コンパネ
JASで定められている「コンクリート型枠用パネル」の略語。
用途はその名の通りコンクリートを打設する際に使用するためのパネルです。
屋外用途のため耐水性が特に考慮されています。
構造用合板
こちらは主に建築物の壁、または床下地に使うための合板です。
用途は建築構造壁に用いるため強度や湿気などにも十分考慮されています。
ラワン合板
用途は造作物に使用するための合板でいわゆる普通合板の一種です。
日本では戦後、普通合板といえばラワン材がそのほとんどを占めるくらい使われてきた時期があったので今でも普通合板=ラワン合板、といったイメージを持つ世代があるのでしょう。
しかし一言に「ラワン」と言ってもは実はこれ、特定の樹種ではありません。
[ラワンの正体]の記事でまとめていますが「ラワン」として扱われるにはいくつかの条件があります。
普通合板にはラワンの他にも南洋材のファルカタなどが多く使われてきましたが、1990年代から国内では国内の針葉樹を有効活用しようといった動きがあり、国内針葉樹を使った合板供給も増えてきています。
コンパネ、構造用合板に比べて用途が幅広く、その性能にも幅があります。
JAS(日本農林規格)では普通合板の規格を、かなり細かく分類しています。
JAS(日本農林規格)による合板の規格(JASページのPDF資料)
コンパネ、構造用合板、ラワン合板(普通合板の一種)の違い早見表
コンパネ | 構造用合板 | 普通合板 | |
---|---|---|---|
主流サイズ(㎜) | 1800×900 | 1820×910 | 1820×910 |
主流厚み(㎜) | 12 | 5.5~28 | 2.3~30 |
強度 | △ | ○ | ×~◎ |
耐水性 | ○ | ◎ | ×~◎ |
JAS認定品の 価格相場(12㎜) | 1500円前後 | 1000~1200円前後 | 2000~5000円前後 |
※あくまでもかなりザックリとまとめています。正確にはそれぞれに細かな分類があり、製品にも幅がありますが一般消費者の認識としては参考になると思います。
※2020年以降のコロナ渦の住宅需要の高まりによりウッドショック、22年ウクライナ情勢によるロシアからの輸入ストップ、原油高などの影響により合板ショックとも呼ばれる事態になっています。
合板の価格は2019年から2022年まででざっとおおよそ1.4倍~1.7倍程度値上がりしていて、この値上がりはしばらく続く見込みのようです。
一例を上げると12mm×910×1820の構造用合板が2019年には1200円前後で売られていましたが、2023年4月の現時点では2000円を超えています。