家具職人を目指したり、木工を本格的に学びたい時の選択肢とは!?

今回は木工を「学びたい」、「教わりたい」と思った時の選択肢について書いてみようと思います。








木工を学べる場所は少ない。

日曜大工で家の補修作業やちょっとしたものをつくるのなら独学で書籍やネットでそのやり方を調べればことも済むでしょう。

ところがもっと上手に、本格的に学びたいとか、そもそも基本的なところから学びたい。と思ったときに困るのがそのノウハウの提供場所が少ないことです。

学びたいと言っても仕事にしたい場合とあくまでも趣味の範囲、とではまた、違ってきますが、いずれにしても、特に木製家具の製作に必要な基本的知識や技術を教えてもらえる場所は割と少ないのです。

ということはつまり、無垢の木材のことや家具製作を本格的につくるノウハウを教えられる人もまた、少ない、といことでもあると思います。
このことは、単純に知識を増やせばできるようになる世界ではないだけに、益々その技術、技能を伝承するシステムそのものが脆弱になっているのが現代の日本における「木の家具づくりの悲しき現状」(と言ったら大袈裟でしょうか?)に繋がっていると思います。

日本人は古くから森に恵まれ木と共に生きてきたはずですが、現代では純粋に無垢材でつくられた家や家具類はめっきり姿を消し、変わりに木の事を知らなくても簡単に形にできてしまう、木質材料をはじめ、プラスティックなどの合成樹脂素材に囲まれて暮らす時代となってしまいました。

それと昔と違うのは輸入家具の存在と外国の労働生産力によって格安商品を大量に生産販売している企業が多いことで、消費者もまた家具を見る目が育たなくなっているとも、私は思います。
実を言えば私も例に漏れず、木工に興味を持つまでは、無垢材の特性どころか針葉樹と広葉樹の違いすら分かりませんでした・・・。

ところがそんな私でも、木のぬくもりが好きで今では木製家具をつくる仕事に就いていますし、まわりにも木工職に就いていたり、木工技術をもっとよく知りたい、学びたいと願う若者が一定数いるのも知っています。
また、一般消費者の中にも無垢材でしっかりつくられた家具の魅力に惹かれて、比較的高価でも(本当は妥当な価格)買い求める人がいます。

つまり今、この国では家具に対する考え方が二極化している、というのが実体のようです。

そんなわけで、無垢材の家具製作をきっちり基本から学びたい~、などと思ってしまった場合、その選択肢はけっこう限られていると思います。

家具製作(木工)の学び場を探す

では具体的に「木製のイケてる家具をつくりたい!!」って人が進む道として、一般的に考えられるのは

  1. すぐに家具工場や工房などで指導を受けながら働く
  2. 職業訓練校に通う
  3. 民間の専門学校に通う
  4. 各種木工教室を受ける

このような選択になるとは思いますが、どの選択をとっても絶対数は少ないのです。

※若い内からこの道を目指す方には他にも高校、大学で木材工芸科などのある学校を選ぶ、という選択肢があります。
私ももっと若い内からやっとけばよかったなあ、と思うことがありますが、後の祭りです・・・。
なのでここではあくまでも1度、社会人になってから始めたい場合について書いています。

1.すぐに家具工場や工房などで指導を受けながら働く

身内やよほど近親者でも無い限り、未経験者を雇い入れてくれるところなど皆無に近いでしょう。
万が一あったとしても全国各地どこでも行く、くらいの覚悟でないと見つからないと思います。
そこからも、この業界自体がいかに厳しい状況かということが伺い知れますね。

運良く、未経験で就職できたとして、運良く、良き先輩や親方職人の指導を受けられればそれはそれで良いと思いますが、それでもひとつ気になる点があります。

それは、仕事の内容が部分的なところだけで終わってしまう可能性が高いことです。

いきなり実践的な職場に行っても、木工の基本を一から十まで親切丁寧に指導してもらえるとは到底思えず、未経験者はおそらく、どんな会社でも単純な作業から、というかほとんどペーパーがけや、単純な機械作業の繰り返しになるかと思います。

せっかく木製家具や木工に興味を持ち、その関係の工場などに勤務することができたのに、入ってみたらぜんぜん独りで家具を作れるようになれる環境ではなかった・・・。

なんていうのはよく聞く話です。
くれぐれも、その点については、入社前に自分がやることになる作業について、よく確認しておくことが重要だと思います。

2.職業訓練校に通う

すぐに就職が無理であれば、職業訓練校で訓練を受けてからの就職、という選択肢です。

私の場合も、もう11年も前になりますがこの選択しかなかったのでこの道を選びました。

ただ、あまく甘くなかったのは、まず木工科などがある職業訓練校は全国にも数少なく、定員が定められていてその年度にもよりますが、私の時は入校志願者は2倍以上の倍率でしたし、無事訓練校を卒業しても、志望の家具メーカーに就職できるとは限りません。

訓練校への求人自体が無いときもあるので、結局は個人的に就職先を探さなければ実務経験は積めないのです。
いずれにしても入校は4月からなので、現在勤務中の会社を辞めるタイミングに気をつけた方が良いでしょう。

計画を立てて入校試験に無事受かることでその道は開けます。(怖いのは、会社をやめて受験して、落ちると一年間、途方に暮れることになります。

木材加工のいろはを学ぶ、と言う点に於いては十分な内容の訓練を受けられると思いますし、実際に、訓練終了後、就職せず、いきなり独立されているやり手の方もいらっしゃいます。

3.民間の専門学校に通う

では民間の専門学校はどうでしょう?

専門学校で「家具職人を目指せる学部、学科」等と謳っている専門学校はありますが、職業訓練校を経験した私からみるとその授業内容はどれも物足りないもののように思っています。

実際に私は都内の某スクールに通う若者と話をする機会があり、いろいろと聞いたことがありますが、そこでは木材加工といっても和風建築やインテリアデザイン関係の知識を教えるばかりで、例えば木工に欠かせないノミやカンナのことであったり、木工機械の取り扱いや応用的な加工方法などに関しては、ほとんど学べないのだそうです。

もちろん全ての学校が、とは思いませんが、他の学校案内や授業カリキュラム等を見ても「家具職人を目指せる」と謳っていても、実際のところ、実践的なことはいまひとつ。
というのが私のもつ専門学校のイメージです。(あくまでも無垢材で木製家具をつくると言う面で)
その上、民間の専門学校は当たり前ですが、それなりに授業料がかかります。
その額はざっと職業訓練校の10倍前後にもなるでしょう。

貯金がたくさんある方は別ですが、一度、社会人経験をした人が仕事を辞めて、学校にそれだけの授業料を払うのは、結構リスクが大きく感じるのではないでしょうか?

4.各種木工教室を受ける

木工教室というのは何かひとつのもの、たとえばスツールならスツールを先生の指導のもと、あくまでもお試し体験的な雰囲気で行われる。といったイメージを持つ人が多いと思います。

たしかに訓練校や専門学校に比べるとその受講時間は少なく、1日3時間程度を月数回に分けて行われるのが一般的です。
長くてもそれが3ヶ月程度の間になるので木工の全てを学ぶには時間が足りないでしょう。

ただ、そこは考えようで、木工教室の場合、働きながら通えるのが何より有り難いですし、比較的、授業内容を受講者のレベルに柔軟に合わせてもらえる点が良いと思います。

うまく利用して、続けて受講していけばむしろ専門学校よりも人数が少ないですし、「木工技術」の面では、十分な指導を受けられる可能性はあります。

木工に興味を持って学校に通ったものの、授業に着いていけずに途中で断念・・・といったパターンは結構少なくありませんので、仕事を辞めて、まとめて高い授業料を払わなくてはならない各種学校よりもリスクが少なく気楽に、木工に触れる機会を得られるのが木工教室の醍醐味、と言えるかも知れません。

最後に

今回は家具製作を中心とした木工を本格的に習うにはどうしたら良いか?といった点で選択肢を考えてみましたがいかがだったでしょうか?
もしかしたら、これから職業として家具職人を目指したい!とお考えの方も読んで頂いているかも知れません。
そんな方に是非とも伝えたいのは、どの選択肢をとったとしても、結局は自身の積極的な探究心があれば間違いない!と言うこと。

 自分ひとりで最初から最後までイメージする家具を作れるようになりたい、という思いで業界に足を踏み入れる人々はたくさんいますが、あきらめて辞めてしまうひともたくさんいます。
私が思うにその違いは、他力本願でなく自力で学ぼうとする意志があるか否かだと思います。
学校であろうが、職場であろうが、先生や先輩達に積極的に質問している人は成長が速いし、長続きしていると思いますので、是非とも、慌てる必要はありませんが、マイペースに楽しみながらも探究心をもって頑張って頂きたいと思います。

と、まあ偉そうに自分のことは棚に上げてアドバイスさせて頂きました。恐縮です。。。

最後までお付き合い、有り難うございました!!







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