集成材ってどんな材料? 種類と用途は? 

木材

家具製作における集成材については過去の「木質材料の種類」のページで触れましたが、ここでは主に建築材に使われている集成材についてまとめます。

集成材の種類と特徴

集成材を簡単に説明すると、小角木や小さな木片を、繊維方向に平行にそろえた状態で長さ、幅、厚さ方向に接着材を用いて、集成接合した材料です。

JASでは集成材の材質(強度)を規定するために使用する樹種を次のように分類しています。

針葉樹Aグループ
アカマツ、ヒバ、ヒノキ等の比較的比重の大きい樹種
針葉樹Bグループ
スギ、トドマツ、ベイツガ等のAグループより比重が小さい樹種
広葉樹Aグループ
ナラ、ブナ、カバ等の比較的比重の大きい樹種
広葉樹Bグループ
ラワンが標準(Aグループより比重が小さい
集成される前の細かいピースのことを「ラミナ」といいますが、このラミナの接着に使われるのはフェノール樹脂、ユリア樹脂、レゾルシノール樹脂のいずれかを使います。
尚、構造用集成材の含水率は8~15%と定められています。建築の仕上げ材では多くても含水率20%以下に規定されていますのでそれよりもしっかり乾燥させた材料と言えます。
ラミナの長さ方向のジョイント方法は、刃物や機械精度の進歩した今では「フィンガージョイント」がほとんどではないでしょうか。他にも継ぎ手の工法には「スカーフジョイント」や「N形ジョイント」など、いろいろとありますが「フィンガージョイント」が一番強度がでるのでしょう。

JASによる集成材の定義

JASにより集成材の種類別定義がなされていますので参考にこちらの表を載せておきます。

用語定義主な用途
造作用集成材小角木やひき板を集成接着した、素地のままのもの、素地の美観を表したもの(これらを二次接着したものを含む。)又はこれらの表面にみぞ切り等の加工若しくは塗装を施したものであって、主として構造物等の内部造作に用いられるものをいう。階段手すり、椅子の笠木、カウンター、パネルの心材など
化粧ばり造作用集成材上記素地の表面に美観を目的として薄板を貼り付けたもの又はこれらの表面にみぞ切り等の加工若しくは塗装を施したものであって、主とし
て構造物等の内部造作に用いられるものをいう。
長押(なげし)、敷居、鴨居、落とし掛け、上がりかまち、床板、床かまちなど
構造用集成材集成材のうち、所要の耐力を目的として等級区分したひき板(幅方向に合わせ調整したもの、長さ方向にスカーフジョイント又はフィンガージョイントで接合接着して調整したものを含む。)又は
ラミナブロック(内層特殊構成集成材に限る。)をその繊維方向をお互いに平行して積層接着したもの(これらを二次接着したもの又はこれらの表面に集成材の保護等を目的とした塗装を施したものを含む。)であって、主として構造物の耐力部材として用いられるもの(化粧ばり構造用集成柱を除く。)をいう。
柱、桁、はり、湾曲アーチ、コンテナの床、枠組み壁工法用材など
化粧ばり構造用集成材集成材のうち、所要の耐力を目的として選別したひき板(幅方向に接着したもの及び長さ方向にス カーフジョイント又はフィンガージョイントで接合接着して調整したものを含む。)を積層接着し、その表面に美観を目的として薄板(薄板を保護するために、紙、薄板と繊維方向を平行した厚さが5mm未満の台板、薄板と繊維方向を直交させた厚さが2mm以下の単板、厚さが3mm以下の合板又はJIS A 5905に規定する品質に適合することが確認されている厚さが3mm以下のMDF若しくはハードボードを下貼りしたものを含む。)を貼り付けたもので、主として在来軸組工法住宅の柱材として用いられるもの(横断面の一辺の長さが90mm以上150mm未満のものに限る。)をいう。木造住宅の柱、通し柱、半柱
JAS規格 2012 1587号より抜粋 

最後に

 最近、町中の住宅建築中の現場をのぞくと、ほとんどの柱がこの集成材でつくられているのを目にします。
強度もあり、見える箇所には表面にひき板(薄い化粧材)を張り付けてしまえば全く無垢材と変わらない上、高騰している無垢材と比べれば安価にできるということで、必然的に使われているのでしょう。
 ただ、忘れてならないのは、集成材にもやはり大量の接着剤が使われている点です。
消費者もある程度は材料にどの程度、どの様な接着材が使われているのかを把握した上で材料を選んでいくべきかと思います。
他の面では集成材は合板など他の木質材料より、加工しやすく、肌触りも無垢材に近いものがありますので、凄く扱いやすく、家具をつくるのにも向いていると思います。
ただどうしても小片木の寄せ集めですから見た目が良くありません。(主観ですが)
個人的には集成材でつくった家具は透明仕上げではなく、塗りつぶしの塗装を施すと良いと思います。塗料ののりも良いので、低予算のDIYの材料選びに困った時は合板より集成材がおすすめです。
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